薬の臨床
妊婦血中非抱合型エストリオールの簡易測定法とその臨床応用について
国見 直樹
1
,
吉田 信隆
1
,
岸本 廉夫
1
,
吉良 正道
1
,
長川 富保
1
,
秋本 晄久
1
,
関場 香
1
Naoki Kunimi
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.811-814
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206120
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妊娠後半期において,胎児および胎盤機能を推測する目的で,種々の物質の測定がされてきたが,その中でも,Estriolは,胎児—胎盤系の機能をよく反映するものとして注目されており,臨床的には広く尿中Estrogenの測定が行なわれている。しかしながら,尿中Estrogenの大部分は抱合型Estriolであり,それらはすでに非活性型となっているものである。さらには,尿中Estrogenの測定は,蓄尿による測定において,経日的な尿中分泌量の定量としては有力であるが,随時尿による測定値には,尿量による変動があり,問題があるとされている。
一方,血中Estriolの測定は,Radioimmunoassay(RIA)法の発達により,抱合型および非抱合型のEstriolが測定されつつあり,その有用性も認められてきてはいるが,その測定には,抽出操作,カラム操作3)などの方法の繁雑さも加わり,一般化されておらず,その臨床的意義も十分確立したとはいえないのが現状である。
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