実地臨床手技のエッセンス 安全麻酔
麻酔ひとくちメモ
安全な麻酔のために
増岡 陸浪
1
1クロエ産婦人科病院
pp.186
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206009
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挿管: 帝王切開術の麻酔でfull stomachをは常に問題となる。摂食後10時間以内の全身麻酔は,すべて挿管すべきであろうか。ある麻酔科の教授は,挿管にはまたそれなりの危険や偶発症・合併症もおこることであるし,帝王切開のすべてにとはいえないともいっている。となれば,全身麻酔を望む患者に対しても,硬膜外麻酔あるいは腰麻を行なうべきであろう。
嘔吐: 北里大学麻酔科田中教授は,妊娠末期の食道鏡所見で,噴門部の弛緩をみとめ,麻酔時の嘔吐の危険を警告している。これは,食物残渣による窒息のみでなく,空虚な胃の強い酸性の胃液による出血性肺炎もまた,重篤な合併症である。これは,麻酔開始前に胃酸中和剤を服用させることで,あるていどの予防ができる。
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