特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅱ.外陰の手術
良性腫瘤
西田 悦郎
1
,
井本 正樹
1
Etsuro Nishida
1
,
Masaki Imoto
1
1金沢大学医学部産科婦人科学教室
pp.803-804
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205918
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外陰には種々の良性の腫瘤が発生する。それらは腫瘍性(Neoplasma;New growth;Geschwulst,Neubildung)のものと,貯留嚢腫などの非腫瘍性のものに分けられる。それらに対する手術態度はおのずから異なり,腫瘍性のものでは悪性とのBorderlineのものもあり,完全摘除の問題,切除区域の決定など,術後の機能や隣接臓器におよぼす影響など留意を必要とする点がある。また,非腫瘍性のものでは炎症による腫瘤があるので,それに対する考慮をしなければ,手術や切除のみ行なっても結果は不良で,外陰炎や湿疹などのために外陰の機能障害を招来する。
個々の腫瘍としては,腫瘍性のものでは外陰線維腫(Fibroma vulvae),外陰脂肪腫(Lipomavulvae),外陰粉瘤(アテローマ;Atheroma vul—vae),外陰汗腺腫(Hidradenoma vulvae),外陰血管腫(Haemoangioma vulvae),外陰リンパ管腫(Lymphoangioma vulvae)などがあり,その他Myoma,Endometriosisなどもある。
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