新しい視点をさぐる 放射線診療のBlind Spots
骨盤血管造影(PAG)と子宮卵管造影(HSG)との同整位撮影法の利点
川島 吉良
1
Yoshiro Kawashima
1
1浜松医科大学産科婦人科学
pp.491-495
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205860
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Ⅰ.子宮卵管造影法と骨盤血管造影法の盲点
まず初めに2枚の写真を供覧しよう。図1は同一患者の同一時期に引き続いて撮影した子宮卵管造影写真であるが,aとbとではまるで違う。この患者は産後2ヵ月経っても出血が止まらないためPAGとHSGとの同整位撮影を行なった。自然位のまま撮影したのが,図1a,子宮卵管造影注入器を装着したまま子宮を長軸水平方向に約500gの力で牽引固定して撮影したのが図1bである。後者の写真の方が多くの情報を読み取ることができるので診断的価値は大きい。
このような現象は子宮の解剖的・機能的特徴から当然起こりうることなので,子宮造影にあたっては常に心がけておかねばならない。
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