疾患の病態と治療 妊婦管理
糖尿病と妊娠
浜田 宏
1
,
豊田 正治
2
Hiroshi Hamada
1
,
Seiji Toyoda
2
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学教室
2聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科
pp.203-206
発行日 1976年3月10日
Published Date 1976/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205384
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妊娠時の糖代謝はHCS,HGH,estrogen,progesterone,glucocorti—coid,thyroxineなどの内分泌環境の多彩な変動の下に,膵ラ氏島が肥大増殖してインスリンの分泌亢進がみられる一方,脂質,蛋白代謝の変調に伴うインスリン抵抗あるいは胎盤におけるインスリンの破壊,不活性化などによつて特異的な代謝相が形成されているものと考えられる。
いわんや糖尿病妊婦または疑糖尿病妊婦においてはこれらの代謝変調がさらに複雑な修飾をうけるので,その病態生理についての解明はきわめて困難である。われわれも数年来この難解な命題について種々のアプローチを試みてきたが,本稿では糖負荷後の血中免疫インスリン反応(IRI—response)に関する若干の知見によつて病態生理の一端を紹介し,あわせて妊婦管理の要点について述べることとする。
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