年間テーマ--診断から治療へ 体温の異常
尿路感染症と発熱
石神 襄次
1
Joji Ishigami
1
1神戸大学医学部泌尿器科学教室
pp.267-270
発行日 1975年4月10日
Published Date 1975/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205162
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一般に感染症に体温の上昇は必発の症状のごとく感じられがちであるが,罹患臓器によつてその様相は一様ではない。
尿路感染症もその例外ではなく,腎盂腎炎を主体とする上部尿路感染と膀胱炎を主体とする下部尿路感染では発熱の状態に明らかな差が認められる。さらに上部尿路感染症においてもその症状の経過によつて発熱の程度,有無は敏感に変化するものである。換言すれば,患者の発熱の経過を精細に観察することにより,ある程度その診断,対策,治療も可能となりうるということができよう。
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