特集 症状からつかむ私の治療指針
婦人科
乳房痛
広井 正彦
1
1新潟大産婦人科
pp.922-923
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204923
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乳房は左右対称的に胸部に位置し,その主たる構成をなしている乳腺は,女子では思春期に入り急速に発育肥大する。また妊娠するとその肥大の程度も著しく,産後は乳汁が充満し乳汁分泌を来すようになる。更年期以後には乳腺は萎縮する。このように乳房はリプロダクションの変化によりいろいろの変化を示すので,乳房痛を主訴として来院した婦人を診察する際には,乳房のみにとらわれずに全身の発育状態,月経の状態,脂肪過多の状態,腋窩・頸部リンパ腺の肥厚の有無などをも注意して観察,問診すべきである。
乳房は健康な婦人でも強く圧迫すると疼痛として感じるので,ここでのべる疼痛は主として自発痛に限ることにする。
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