カラーグラフ 境界領域シリ-ズ
晩期妊娠中毒症の眼底所見
加藤 和男
1
1順天堂大学医学部眼科
pp.906-907
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204484
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晩期妊娠中毒症に合併する眼底所見には,妊娠中毒性網膜症,妊娠性網膜炎,妊娠蛋白尿性網膜炎などの名称がある。
検眼鏡的所見は,網膜細動脈の狭細,血柱反射の増強,網膜動静脈の交叉現象の出現,乳頭周囲網膜の浮腫,混濁,乳頭浮腫,小出血斑,綿花状白斑,星芒状白斑の出現などの,それぞれの単独,あるいは組合わさつた多様な像を呈する。しかし,症例によって急激な血管攣縮性の変化,網膜浮腫が主体で,時に網膜剥離を続発するような眼底像を示すものと,血管の硬化像,出血,白斑などを伴う定型的高血圧性網膜症に類似した眼底像を主体にするものがある。
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