診断と手技
問診・外診・内診のこつとダグラス窩穿刺
竹内 正七
1
,
千村 哲朗
1
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科教室
pp.609-615
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204435
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はじめに
子宮外妊娠(以下外妊)の診断・治療に関しては古来多くの研究・報告をみるが,すぐれた補助診断法の発達,進歩をみる今日においても依然として外妊の誤診率は必ずしも少なくない。その理由としては,外妊の病態がきわめて多彩であり,その臨床像の把握が困離なところにあるといえる。
外妊の95%以上は卵管妊娠であるが,一般にその病態は臨床的見地から急性型acutc formと慢性型chromic formに分類されている。定型的症状を伴つた急性型外妊の診断は容易であるが,70%前後を占める慢性型の診断は非定型的な経過を辿るので困難なことが多く,事実,外妊誤診のほとんどはこのような非定型的慢性型の症例で起こつているのである。
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