薬の臨床
無痛分娩における後陣痛緩解法—とくに二重盲検法によるPentazocinの効果について
長内 国臣
1
,
大村 浣
1
,
尾崎 周一
1
,
藤井 明和
1
,
脇田 幸一
1
,
和泉 滋
1
,
田中 清隆
1
,
西島 正博
1
Kuniomi Osanai
1
1横浜警友病院産婦人科
pp.1017-1019
発行日 1970年11月10日
Published Date 1970/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204306
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はじめに
ペンタゾシンは,1959年米国ウィンスロップ社において開発された,モルヒネに近い化学構造を有しながら身体依存性をもたない新しい非麻薬性・強力鎮痛剤である。
化学構造 一般名Pentazocine 化学名1,2,3,4,5,6-Hexahydro-6,11-dimethyl-3-(3-methyl-2-butenyl)-2,6-methano-3-ben-zazocin-8-ol 分子式C19H27NO 分子量285.43 米国ウィンスロップ社で,一連の麻薬拮抗剤の中から耽溺性のない鎮痛剤をスクリーニングすべく,合成—毒性・薬理—予備臨床—耽溺性の検討を含めた臨床のプログラムの下に,長年にわたる系統的かつ緻密な研究が行なわれた結果,モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤に代りうる耽溺性ないしは身体依存性のない強力な鎮痛作用を有する化合物ペンタゾシン(Pentazacine)の開発に成功した。
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