グラフ
子宮腺筋症の子宮造影像
山口 龍二
1
,
高桑 明夫
2
1東北大学医学部産婦人科学教室
2青森県三沢市立病院産婦人科
pp.865-868
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204286
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子宮腺筋症(Adenomyosis)は臨床診断の困難なものに属するが,子宮卵管造影法(以下HSGと略)でもそれは同じである。しかし子宮筋層内の内膜症が子宮体腔に連絡をもつている場合や,腺筋症の病変が高度になつて子宮腔に変化をもたらすような場合にはHSGによつて腺筋症の診断が可能になる。HSGにあらわれる腺筋症の像は図6に示すように,(1)子宮体腔壁から筋層にむかつて突出する棒状ないしは憩室様の盲管像(時に蜂巣状の影像を伴うことがある),(2)子宮体腔のゴツゴツした変形,(3)子宮卵管角部の影像欠損,挙上,硬直化,(4)最も高度な場合には体腔の瘢痕化にともなう独特のSynechia像の出現,などである。
腺筋症は内診上はしばしば筋腫との区別が困難であるが,HSG上からは筋腫の場合にはその基本的影像が弧状ないしは半円状の影像欠損であることを考えれば,腺筋症との鑑別は必らずしも困難ではない。
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