研究
腹壁誘導electrohysterogram—その1:基礎的問題について
井上 正二
1
,
品川 晃一郎
1
Masaji Inoue
1
1京都府立医科大学産婦人科教室
pp.397-400
発行日 1968年5月10日
Published Date 1968/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203880
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はじめに
陣痛を計測し,質的に解析することは産科臨床上重要な問題である。子宮収縮の基礎的研究が主として電気生理学的方法により行なわれていることから,陣痛の質的解析に電気生理学的方法がすぐれた方法の1つであることは明らかである。しかし,その方法は基礎実験には用いられても臨床に応用するにはかなりの困難がある。今日まで臨床に応用されたのは陣痛に伴う電位変化を腹壁上より誘導する方法であり,Dill et al.(1946)1),Steer et al.(1950)2),Halliday et al.(1952)3),Steer(1954)4),Larks (1956)5),Larks et al.(1958)6)7)等により次第に正確な記録が行なわれるようになつたが,Sureau(1962)8),Jung (1965)9)によりarti-factのため波形がひずみ時には得られた波形はartifactのみであるとの批判が行なわれた。
そこで今回artifactを少なくする方法について述べるとともに,得られた波形が子宮活動電位に由来するものでありかつartifactで大きい変形をうけていないことを明らかにしようとした。このように腹壁上に置いた電極により子宮活動電位を誘導する方法を腹壁誘導electrohystero-graphyと呼ぶ。本法の臨床的応用ことに腹壁誘導electrohysterogram(EHGと略す)と陣痛波形との関連性については稿を改めて述べる。
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