特集 産婦人科の救急処置
腹部の激痛の救急処置
野嶽 幸雄
1
,
筒井 章夫
1
,
鈴木 健治
1
Yukio Notake
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.951-953
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203804
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はじめに
日常の産婦人科臨床において,しばしば遭遇する急激な腹部の激痛を主微とする疾患は,緊急手術を要することが多く,また疾患相互の鑑別診断の困難なことから,それに対する処置に際しては,臨床医としての深い経験と知識を基礎とする高度の医学的判断が要求される。
まず診断の第一段階は,その腹部激痛の原因が産婦人科領域のものか否かの鑑別にある。すなわち他科に属する疾患としては急性虫垂炎,イレウス,胃十二指腸潰瘍とその穿孔,胆石症,急性腹膜炎,急性胆管炎,急性膵臓炎及び壊死,急性黄色肝萎縮症,尿路結石症,回虫症等があるが,いずれの領域か決定し得ない場合は即刻各領域の1専門医への依頼が必要で,このためにも日常の診療での他科との緊密な連携の確立が必要とされるのである。
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