MY THERAPY in Series・46
妊娠後半期に見られる下腿痙攣症候群Leg Cramp Syndromeの治療について
宮崎 好信
1,2
1熊本大学
2熊本市立産院
pp.644-645
発行日 1966年8月10日
Published Date 1966/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203535
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Leg Cramp Syndromeとは妊娠後半期に妊婦の腓腸筋(M.Gastro—cnemius)に見られる強直性,間代性の痙攣であり,かなり烈しい痛みを伴つており,妊婦にとつては相当の苦痛であるように思われる。
しかしその報告は比較的少なく,英独文の数編を見るだけで,わが国ではほとんど見当らない。これは恐らくわが国ではまだ本症の病態生理が明確に理解されておらず,下肢の神経痛等と混同して取扱われることもあるため,臨床医家の興味を惹かず,また成書にも記載されていないのではなからうか。しかしわれわれが妊娠時のCa代謝について研究していたところ,本症候群が予想外に多く,外来を訪れる妊婦の32.3%に見られ,症状が著明でかなりの苦痛を訴えるものが発症例の79.1%と,その大部分を占めていることが分つた。したがつて本症候群の治療も外来診療上重要なものの一つと考えられるので,その大要を御紹介してみたい。
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