Japanese
English
綜説
遺伝と体質
Heredity and constitution
田淵 昭
1
,
絹谷 一雄
1
,
中川 繁
1
,
矢野 公生
1
Akira Tabuchi
1
1広島大学医学部産婦人科教室
pp.857-861
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203359
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
体質とは「医学的特長または反応能力の個体差」と定義され,体質の生成は遺伝的要因と環境的要因の相互作用に基づくことには異論はないが,一般に臨床医家は現象(演出)にみられる体質的特長を分類し綜合して,全体としての1つの体質(gesamte Konstitution)を仮定して研究しており,遺伝学者は「全体としての体質」を無視して遺伝的にうけつけがれた傾向(tendency)が一定の環境条件により演出する個人の体質的な特長を把握せんと努力している(荒川)。
しかし,体質学でも体質性疾患者の家族について特定の負荷をあたえ潜在性または不全型異常(素質,素因)を発見せんと努力しており,これの研究方法は遺伝的疾患の保因者(carrier)の研究といらじるしく類似してをる,これにより遺伝学も臨床医学の研究項目となり,体質異常の遺伝的研究も必要となつてきた。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.