連載 My Therapy in series・1【新連載】
分娩時間の調節法/子宮筋腫の治療
竹内 繁喜
1
1都立築地産院
pp.618-619
発行日 1962年8月10日
Published Date 1962/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202659
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産科医にとつて大きな悩みは,妊婦の分娩の日時が一予定日近くなつてさえも一予想できない場合が多いということだ。分娩に是非とも立ち合わねばならぬ妊婦を月に2〜3人も持つていると,自分自身の行動が完全に束縛されてしまう。遠い旅行に出かけられないことはもちろん,陣痛が始まつている産婦でもあると,2〜3時間ですむ宴会にさえ安心して出かけられない。よしんば仁術の名の下にそれくらいの楽しみは犠牲にするとしても,せめて,吹雪や暴風の真夜中に介助や手術に行かねばならぬ憂うつからは解放されたい。
その日に入院した産婦の分娩を全部夕方までに,人為的に,済ますことができたら,また,夕方から夜分にかけて入院したものの分娩を,朝まで延ばすことができたら--すなわち,最少限夜の工0時頃から朝6時ぐらいまでの分娩がないように加減できたら,公的な見地からは,夜勤の看護婦,助産婦の配置がずい分助かるだろうし,私的な立場からいえば,産科医の健康がどれほど守られるか判らない。
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