Japanese
English
症例報告
D群連鎖球菌による産褥敗血症の1例
A case of puerperal sepsis caused by D-group streptococci
上野 雅清
1
,
中村 猪三郎
1
Masakiyo Ueno
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.637-642
発行日 1961年7月10日
Published Date 1961/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202466
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Ⅰ.まえがき
戦後における化学療法剤の発達は顕著なものがあり,それに伴い多くの感染症も幾多の変遷を来している。産科領域における産褥熱も嘗ては死亡率の高い3大疾患の一つとして恐れられていたか,現今ではその後退を余儀なくされているばかりでなく,起因菌の様相もかなり影響されているものと思われる。
D群連鎖球菌による感染症も婦人科的には膀胱炎の起因菌としては既に知られていたが,今迄はあまり重要視されていなかつた。近年,慢性型敗血症,即ち亜急性細菌性心内膜炎の起因菌として本菌が注目されはじめ,またわれわれもかねがね関心を寄せていた。その折にD群連鎖球菌による産褥敗血症に遭遇したのでここに報告する次第である。
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