Japanese
English
症例報告
子宮内反症の1例
A case of inversio uteri
山田 裕巳
1
Hiromi Yamada
1
1東邦大学医学部産婦人科学教室
pp.622-623
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202233
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
Ⅰ.緒語
子宮内反症とは子宮底が陥没乃至下垂反転し子宮粘膜面が腟乃至腟口外に露出する状態を云い,その程度により,子宮圧痕,不全子宮内反症,全子宮内反症,子宮内反脱出症等に区別されている。次に原因としては一般論として,最も重要なものは圧迫と牽引とである。即ちクレーデ氏圧出法,其他胎盤の子宮後壁附着,子宮下部附着,子宮筋の変化,疲労による微弱陣痛,発育不全体質,用手胎盤剥離,腹圧,卵膜胎盤ポリープ牽引等の諸要因が挙げられている。いずれにしても,子宮内反症は実際上遭遇することは極めて稀有なものであり,その予後も不良で,早急に処置しても死の帰転を取る事がある。私は最近初産婦に本疾患の1例を経験し,種々有意義な体験を得たので,大要を報告する。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.