Japanese
English
臨床研究
精子欠如症及び両側卵管閉塞と診断した夫妻間における妊娠成立例について
A case of pregnancy between a husband with aspermia and his wife with no tubal patency
斉藤 幹
1
,
青木 一郎
1
,
田中 晃
1
,
鈴木 一男
1
Motoi Saito
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室
pp.109-112
発行日 1959年2月10日
Published Date 1959/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201898
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Ⅰ.緒言
近年,不妊症に関する知見は著しく増大し,その診断と治療はかなり合理的なものとなつて来ているが,未だ解決されねばならぬ事柄は甚だ多いのが現状である。
子宮卵管造影法の実施後,或は内膜掻爬手術後に妊娠したという例はよく見られるが,その成立機序に関しては不明な点が多く,又夫婦共に受胎が不可能と考えられる状態であるにも係らず妊娠が成立し理解に苦しむ実例も時々見られる。Moore15)(1956)は夫婦を科学的に検査し,受胎不可能と思われたものが妊娠した例を述べ,医師は不妊患者に対していかなる場合においても妊娠が不可能であるということを断言してはならぬと言つている。
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