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グラフ
間質部妊娠(胎児死亡,血腫形成)
Graviditas tubaria interstitialis
東京大学医学部産婦人科教室
pp.235-236
発行日 1958年4月10日
Published Date 1958/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201731
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24才,主婦,初経12才,28日型順,持続7日,18才の時虫垂炎にて手術を受ける。結婚23才,人工中絶1回,未経産。初診昭和33年3月12日。最終月経昭和32年10月16日より7日間。11月6日より性器出血始まり,更に12月初旬からは下腹部,特に右側の鈍痛を覚え,下旬に至り漸次増強した。11月20日頃より婦人科医により切迫流産なる診断のもとに医治を受けた。軽い嘔咀症状並びに尿意頻数あるも,仙痛様の疼痛発作はなかつた。
診察所見:子宮は前傾前屈,正常大,硬度稍々軟。左附属器は正常。右腟穹窿部を経て圧痛著明な超鶏卵大の腫瘍を触知す。ダグラス窩診査穿刺は陰性。フリードマン氏妊娠反応は100単位2回施行するも陰性。腟脂膏検査ではEstrogen-indexは+24。血圧112〜62。血液像は血色素86%,赤血球425万,白血球3700。尿蛋白糖共に陰性。子宮卵管造影像は第1図に示す如く子宮像は大きさ正常,辺縁は不正で,内膜の病的変化を思わせる像を呈し,子宮の緊張は寧ろ亢進しているように思われる。左卵管は間質部で閉塞,右卵管は同じく間質部に著明な括約弛緩現象を呈し正常の卵管像は殆んど消失しており,その代りに内腔が鶏卵大,不規則な影像の欠損を示す腫瘍を認める。
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