Japanese
English
卵巣腫瘍
腹膜偽粘液腫に就いて
On the pseudomyxoma peritonei
狐塚 重治
1
,
篠田 一夫
1
Shigeji Kitsunezuka
1
1神戸中央市民病院産婦人科
pp.524-526
発行日 1957年8月10日
Published Date 1957/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201589
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まえがき
卵巣偽粘液腫(Pseudomyxoma Ovaru)は壁が非常に薄いために屡々破れるが,その結果内容が腹腔内に漏出し,続いて腹膜炎様の症状を呈して来ることがある。これをWerthは1884年腹膜偽粘液腫(Pseudomyxoma Peritonei)と呼び,更にküstnerはゲラチン腹(Gallertbauch)と名附けた(1918年)。手術時にもこの腫瘍の内容を腹腔内に漏らすことがあるが,この場合にも自然破裂の場合と同様,腹膜偽粘液腫を起し易くやがて不幸の転帰を取ることがあることも報告されている。
私等も最近手術後に起した本症例を経験したので,これを追加報告すると共に,これに関していささか述べて見たいと思う。
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