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速報
扁平上皮癌の塗抹細胞診に於ける癌性基準の統計学的検討
Statistical observations on cancerous standard in cytologic diagnosis of cancroid
髭 一男
1
Kazuo HIGE
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.334-347
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201368
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緒言
子宮癌の診断は,従来肉眼的視診と組織生体診により行われ早期癌の診断は極めて困難とされていた。然るに1941年Papanicolaou及びTrautにより,細胞学的診断法—塗抹細胞診による子宮癌診断法が発表されて以来,相次いで多数の不可視癌の報告がもたらされ悪性腫瘍の早期診断法として諸家の認めるところとなつた。わが教室に於いては,昭和25年より本法を採用し,現在まで被検総数20,000例をこえ,94%以上の適中率をあげている。併しながら,誤診率について諸家の報告を見るに,なお5%内外を示し,殊に子宮癌患者に対する誤診率は,5.6%〜11.3%,平均7.8%の高率で,その結果本法は疑診法に過ぎないとするものもある。
文献:1941年Papanicolaou及びTrautが子宮癌の診断法として塗抹細胞診を紹介し,次いで1943年,その臨床成績を発表した。爾来,まずMeigs, Graham, Fromont-Smith, Ayre,Mackenzie, Jonesその他多数の諸家により追試された。わが国では,昭和23年手塚が追試したのが始めで,昭和24年水野,昭和25年安藤により綜説として紹介され,爾後多数の追試により今日に至つている。然るに,塗抹細胞診の判定根拠である癌性基準については,未だ詳細な検討が行われず,昭和27年中村が発生部位別に癌性基準の出現率を求めたに過ぎない。
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