小特集 小児肺炎
新生児及び乳児の異型肺炎—間質性プラスマ細胞性肺炎を中心として
小島 正典
1
1慶応義塾大学医学部小児科教室
pp.869-874
発行日 1955年10月10日
Published Date 1955/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201251
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I.緒言
新生児及び乳児に於ける細菌性肺炎の治療は化学療法の導入と抗生物質の適切なる応用により,その致命率を著しく低下せしめ得た。然し乍ら近年病因,臨床症状,胸部「レ」線像等が細菌性肺炎と異り,且つ化学抗生物質療法の効果を充分期待出来ない異型肺炎が注目されつつある。周知の通り解剖学的に肺炎を分類すれば大葉性,小葉性及び間質性肺炎に分けられる。異型肺炎(atypicalpneumonia)は間質性肺炎(interstitial pneu-momia, or-pneumonitis)であり,病理組織学的に炎症性反応,炎症性滲出が肺胞よりむしろ間質,毛細気管支,気管支周囲組織に認められ,滲出細胞は中性多核白血球でなく単核細胞様である事が特徴である1)。間質性肺炎は種々の病因によつて惹起されるので,Andersonに若干の修正を加えた次の分類は,異型肺炎の本質を把握するのに便利であろう。
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