特集 思い出・追悼論文
想い出
故清水由隆先生に贈る
内野 總二郞
1,2
1日本産科婦人科学会佐賀地方部
2日本母性保護医協会佐賀県
pp.449
発行日 1954年8月10日
Published Date 1954/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201072
- 有料閲覧
- 文献概要
長崎大学医学部名譽教授,日本産科婦人科学会名譽会員,日本産科婦人科学会佐賀地方部会名譽会員,日本母性保護医協会佐賀県支部顧問,清水由隆先生の御長逝を悲しみ茲に謹んで弔辞を申し述べます。平素お丈夫であられた先生は御老体にも拘らず,毎年の日本産科婦人科学会総会には勿論地方の学会,医師会関係の講演会,集会等にも殆ど欠かさずお元気なお姿で出席されて私共若い者をたえず激勵して下さいました。あの様にお元気であられた先生が御長男直太郞博士お勤務の佐世保共済会病院で開腹手術を受けられ而も其の病気は仲々の難症と承り驚き且つは其経過をお案じ申上げ居りました。私共が去る15日お見舞申し上げた際には大変喜こんで頂き「病院では今後1ヵ月位もしたら自宅へ帰れるだろうと申されたが未だ食事が思う様に摂れないので尠くとも今後2カ月位しなければ帰れないのではないかと自分は思う……」
平素の先生のお気強さの中にも幾分かの御不安気味がうかがわれてはいましたがこんなにも早く御急変があろうとは思われなかつたのでありました。平素のあの厳格な先生を存じ上げている会員は今少しお元気になられてからお見舞申上げ様と語り合つていた程で御座いますのて今更しみじみとお見舞もお慰めもなし得なかつたことをどんなにか残念がつていることで御座いましよう。然し先生はきつと例の調子で「君!!それも仕方がないよ……」とおつしやるかも知れません。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.