症例研究
月経瘻の1例
渡邊 茂人
1
,
佐野 源治
1
1慶応義塾大学医学部婦人科教室
pp.369-370
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201050
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1.はしがき
Ballin(1928)1)は月経瘻とは「正常の月経と一定の関係をもつて周期的に出血を生ずる瘻を云う」と定義し,41例の中で帝王切開術後に発生せるもの32例,他は卵管妊娠の自然破裂,化膿性卵管炎,子宮腹壁固定術等であると述べ,大部分は帝王切開術後に生じたことを報告している。その他,Halter (1927)2)の報告を含む10数例があるのみである。
本邦においては明比(昭5)3)川添,三好(昭16)4),遠矢(昭17)5)等の帝王切開術後の月経瘻及び永井(昭16)6),引地(昭24)7)等の帝王切開術後の子宮内膜症の数例の報告がある。
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