抄録
哺乳動物の松果腺抽出物の簡易檢査法,他
星野
pp.541-543
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200717
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松果腺抽出物の簡易檢査法としてXenopus laevisというヒギガエルを使用する方法を發表している。70匹のヒギガェルと40匹のオタマジヤクシをガラス容器に入れ室温(約21℃)に保つた。屠殺したばかりの豚から及び冠状動脈血栓で死亡した68歳の白人男子から死後松果腺をとり,ドライアイスで凍らせ水と砂と蒸溜水或は食鹽水に乳鉢中で浸漬し,それを遠沈してその上清を抽出物として注射に使用した。この實驗の殆んどに使つた標準抽出物(extractA)は蒸溜水1cc當り500mgの組織を使つて作つた。抽出物はヒキガエルの腹腔丙或は後淋巴 嚢中に,體重50〜100gのものに0.1cc注射し,オタマジヤクシの注射量は夫々の大さに依つて變えた。對照には腦の種々の部分の組織から同様にして作つた抽出物を注射した。注射の反應は,抽出物A注射後5分から7分で皮膚色は正常の灰色がかつた緑色から淡い紅白色のぼけた色合に變化し始め,30分後には褪色は高度に達し,ヒキガエルは極端に淡く梢透明に見え殘りのメラノフオーレンは30分間に充分收縮する。
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