原著
余の骨盤内鏡(Pelvioscope)を以てする膣式不妊手術
岩井 正二
1
1信州大學醫學部産婦人科學教室
pp.196-198
発行日 1952年5月10日
Published Date 1952/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200616
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
余は産科と婦人科第18巻第9號に腟式不妊手術の一新法と題して余の行つている方法を發表したがその際之に新法と名づけることに就ては當時自分としても誠におこがましく,少しく氣がひけたように感じたのである。然しその後例数を重ねるに從い益々この方法が全くそれに値する方法であることを痛感し,又讀者から種々問合せ等がくるので以下少しく詳しく記載して大方の御批判,並びに追試を仰ぎたい。
卵管下妊手術に於て問題となる點は次の3點である。(1)卵管に到達する方法(2)卵管に加える操作。(3)手術の行われる時期。即ち妊娠,産褥この時間的關係。の3點である。本稿に於て論ずるのは專ら卵管に到達する方法即ち開腹の經路に就てであつて,他の2點及びそれらと遠隔成績との關係に就ては後の機會に譲る。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.