境界領域 皮膚科から
女子に好發する數種の皮膚疾患に就て
北村 包彦
1
1東京大學
pp.197-200
発行日 1951年5月10日
Published Date 1951/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200485
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結核疹の1種として主として下腿の皮内,皮下に硬結を生じ,潰瘍化を見るバザン硬結性紅斑,並びにその1變型とも云われ,潰瘍化に至らない結節性結核性静脈炎,これ等は青年男女に來るが女子を主とする。これに比してより急性に疼痛性潮紅,腫脹乃至皮内,皮下結節を生じ,結核アレルギー現象とされている結節性紅斑も同樣で,それは女子には所謂對側性鬱血紅斑,一名女子下腿鬱血紅斑の下腿の腫脹兼紫紅色着色を見ることが屡々,そしてこの疾患は男子には見られないこととともに,女子の下腿皮膚の特殊性に依ると思われる。手指の腹面から手掌へかけて潮紅兼角化の進行する進行性指掌角皮症は極めて稀に男子にも生ずるが,殆んど20代,30代の女子に限られている。慢性型としては主に顏面に潮紅,角化局面を,急性型としては全身に潮紅,腫脹,水疱,出血を生ずるエリテマトーデスも亦いずれかと云えば女子を主とし,但しこれは更年期以後にも絶無でない。
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