症例研究
稀有なる成熟胸部癒合體の1例
松浦 鐵也
1
,
持丸 文作
1
1慶應義熟大學醫學部産婦人科教室
pp.151-153
発行日 1951年4月10日
Published Date 1951/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200469
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緒言
全分娩數の1〜3%を占めると云われる畸形の報告は其の數誠に多く,重複畸形に關しても敢て奇とするに足らないが,本畸形は一般に早産を來すことが多く,從つて体重二体にて3kgにも滿たざるものが大部分であり,然も尚種々の産科手術を必要とするものが多い。然るに最近吾々は從來報告せられたる重複畸形中最大の体重を有すると思われ,然も一助産婦により母体,胎兒共に何等の損傷も受けずに娩出せしめ得た成熟胸部癒合体の1例を得,産科學上興味深いものがあると考えるので茲に報告する。尚重複畸形の形態學的分類病理解剖學的檢討,原因論等に關しては,Veit,Schlaube,Marchand,等の詳細なる研究があり,本邦に於ても篠原,澤井,徐,等の發表がある。
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