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外國文献
長汐
,
木下
pp.41-42
発行日 1951年1月10日
Published Date 1951/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200437
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黄體の必要性の有無
妊娠初期の妊娠維持に黄體が必要であると,約50年前Fraekelが言つてから,その事は本當であると思われて來た。其後特にTones等は黄體の必要性は疑問である事を報告した。極く最近Danlapは最終月經第1日より57日目に黄體除去を行い,何らホルモン療法を行う事無しに正常兒を分娩させた。もし妊娠が胎盤形成以前に黄體除去を行つて持續出來るならば,何か他のホルモン分泌源を假定するか,黄體は妊娠繼續に必須のものでないと決定せねばならぬ。したがつて切迫流産患者のホルモン療法にも疑問が出て來る。MelinhoffはAm.J.obst. & Gynec.60:437(1950)に次の1例を報告している。
患者は白人で1回經産1949年5月27日に左下腹部1/4に疼痛を訴えて來院した。最終月經は1949年4月21日内診所見は外子宮口は閉鎖,右傾,やゝ大きく柔軟,特に左下腹部に長さ約6cmの抵抗がある。血液及尿檢査異常なし。臨牀診斷は妊娠初期及左側卵巣嚢腫で,一般状態を見てゐたが3日間に次第に左側腹痛が増したので開腹術を行つた。
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