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胎盤嚢腫に就て
八木 辰太
1
1國立川棚病院産婦人科
pp.210-213
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200136
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緒言
胎盤に發生する腫瘍としては粘液腫、筋腫、纎維腫、絨毛膜血管腫、絨毛上皮腫並に嚢腫等が擧げられ孰れも稀有なものである。是等腫瘍の中胎盤嚢腫に關してはSpaeth u.Wedl (1850)の報告を嚆矢として既に20數氏の報告があり、Hinselmannは其の發生部位に依り絨毛間腔嚢腫及び絨毛膜下嚢腫に分類しておる。而して後者は前者に比し其の報告稍々多いようであるが、胎盤の胎兒面に於て大なる嚢腫を形成してゐるものに至つては比較的稀有である。
1929年R.Paddock u,E.D.Greenは其の1例を報告し、翌年上坂が追加し、其の際泰西の文獻に10數例を得たに過ぎないと述べ、其他本邦に於ては丸岡(1936)の1例、大橋(1939)の2例がある。
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