増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
II 内分泌・不妊
続発性無月経
布田 孝代
1
,
和泉 俊一郎
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.41-45
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103665
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疾患の概要
これまであった月経が3か月以上停止した場合(妊娠中,産褥期など生理的な無月経は除く)を続発性無月経と定義する.臨床現場で遭遇する無月経はこの続発性無月経がほとんどを占める.さらに,3か月未満の月経遅延で来院するケースも多く,無月経の期間は1か月から数か月,あるいは,数年とさまざまである.
重症度としては,エストロゲン基礎分泌量の程度により1度無月経と2度無月経に分類される.プロゲステロン負荷試験としてプロゲステロンを単独で投与し,消退出血があれば基礎的なエストロゲンの分泌が保たれている状態で,1度無月経と定義する.一方,プロゲステロン単独では消退出血がみられず,エストロゲン+プロゲステロンの投与にて消退出血がみられるものを2度無月経と定義する.
原因別分類では主なものに,視床下部性無月経,下垂体性無月経,卵巣性無月経,その他として,多囊胞性卵巣症候群,高プロラクチン血症などが挙げられる.ここでは特に思春期続発性無月経の主病態である視床下部性無月経について述べたい.
視床下部性無月経はダイエットによる急激な体重減少,精神的ストレス,過度の運動負荷などが誘因となる.視床下部性無月経では,クロミフェンに反応し血中エストラジオールの上昇を認め,排卵誘発される.このためクロミフェンの投与は診断的治療として用いられることもあり,クロミフェン投与で無反応の場合は,下垂体性,および卵巣性無月経が疑われる.
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