増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
II 内分泌・不妊
原発無月経
岡田 英孝
1
,
神道 寿勇
1
,
神崎 秀陽
1
1関西医科大学産科学婦人科学
pp.36-39
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103664
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疾患の概要
原発無月経の定義は「満18歳になっても初経を認めないもの」とされている(日本産科婦人科学会用語委員会).本邦での平均初経年齢は約12歳で,98%以上が14歳までに初経を迎えるので,15歳になっても発来しない場合には検査を考慮する.原発無月経の発生頻度は,婦人科外来患者の0.3~0.4%と稀である.早期の治療開始により予後が改善されるために,第二次性徴の状態により15歳未満でも原発無月経の可能性を考えた対応が必要となる.その原因として染色体異常が最も多く,性腺分化異常などの先天性希少疾患が含まれていることに留意する.
原発無月経の分類を以下に示す.
(1)性管性無月経 : 処女膜閉鎖,腟閉鎖,腟欠損,腟中隔
(2)子宮性無月経 : 先天性子宮欠損,結核性子宮内膜炎,Asherman症候群
(3)卵巣性無月経 : Turner症候群,卵巣形成異常,完全型性腺異形成,原発性FSH不応症候群,アンドロゲン不応症(精巣性女性化症)
(4)アンドロゲンによる無月経 : 副腎性器症候群
(5)視床下部・下垂体性無月経 : Kallmann症候群,Fröhlich症候群,Laurence-Moon-Biedl症候群,ゴナドトロピン単独欠損症
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