今月の臨床 性感染症と母子感染─最新の診断と管理
性感染症
最新の診断と治療
4)トリコモナス症・性器カンジダ症
三鴨 廣繁
1,2
,
山岸 由佳
2
1愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学
2愛知医科大学病院感染症科/感染制御部
pp.52-57
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103242
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●腟トリコモナス症は,Trichomonas vaginalis原虫による感染症であり,減少傾向にあるが,感染者の年齢層が幅広い.
●治療はメトロニダゾールが一般的であるが,原虫が腟内だけではなく,尿路系・直腸内などにも生息する可能性が高いため,妊婦以外では経口薬による治療が必須である.
●性器カンジダ症は,臨床症状がなく,鏡検法,培養法でカンジダが検出されただけの症例では治療の対象とはならない.
●欧米ではフルコナゾール150 mg,単回投与が推奨されているが,日本ではフルコナゾール単回投与が認められていないため,治療には,抗真菌腟錠・腟坐薬,抗真菌薬塗布などによる局所療法が主体である.
●難治性・再発性の症例では,性器カンジダ症の誘因の改善・除去,治療薬剤の変更などで対処する.
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