症例
尿管子宮内膜症の2例
田中 千晴
1
,
近藤 香保里
1
,
内海 史
1
,
石川 尚武
1
,
神谷 典男
1
,
内藤 和彦
2
,
葛谷 和夫
3
,
小畑 直子
4
1名古屋記念病院産婦人科
2名古屋記念病院泌尿器科
3くずやクリニック
4おばた産婦人科クリニック
pp.1255-1258
発行日 2012年12月10日
Published Date 2012/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103227
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要旨
症例1は32歳女性,主訴は血尿・下腹部痛.右水腎症と右卵巣チョコレート囊腫を認めGnRH療法を施行したが改善せず手術目的で当院紹介.6 cm大の右卵巣チョコレート囊腫,右尿管の圧排狭窄,右水腎症を認めた.開腹手術を施行し右付属器切除と右尿管剝離を行った.術後右水腎症は改善した.症例2は46歳女性.子宮腺筋症の診断でジエノゲストを内服していた.左下腹部痛・腰痛あり受診,7 cm大の左卵巣チョコレート囊腫を認め当院紹介.開腹手術を施行し,子宮全摘と左付属器切除を行った.左尿管の著明な拡張を認め左尿管狭窄部切除と端端吻合を行った.術後腹部CTで左腎の高度萎縮あり.
尿管子宮内膜症は比較的稀であるが尿管閉塞・狭窄を起こし水腎症から腎機能低下をきたすことがある.今回,尿管子宮内膜症の2例を経験したので文献的考察を加え報告する.
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