今月の臨床 ここが知りたい―PCOSの最新情報
PCOSと多毛症
和泉 俊一郎
1
,
布田 孝代
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.187-194
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102277
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はじめに
2007年,多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)の診断基準にアンドロゲン過剰症が新たに加えられた.アンドロゲン過剰症における男性化徴候の1つとして多毛症がある.本邦では欧米に比しアンドロゲン過剰症状を呈することは少ないとされている.しなしながら,多毛症は通常の診療ではあまり重要視されずに,患者自身からの訴えがなければ見過ごされがちのものであるが,軽度のものも含めると男性化徴候としては,本邦では最も高頻度にみられる主症状ともいえる.美容的観点からも患者当人にとっては非常に深刻な悩みとなり得ることなどからもその臨床上の取り扱いは重要である.本稿では,PCOSがアンドロゲン過剰をきたす内分泌学的背景,および診療における多毛症の取り扱いについて鑑別などを挙げながら解説する.
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