連載 産婦人科PET 何を考えるか?・6
腹部リンパ節腫大の原因検索
岡村 光英
1
1大阪府済生会中津病院PETセンター
pp.1249-1252
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102188
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70歳女性.食思不振,体重減少(6か月で10kg),嘔気を主訴に近医受診.腹部超音波検査にて膵周囲のリンパ節腫脹を認めたため,精査目的で紹介,入院となった.上腹部から骨盤部のCTにて肝門部,膵周囲,大動脈周囲リンパ節腫大を認めたが,明らかな原発巣は指摘できなかった.骨盤内にCTにて10cm大の嚢胞性腫瘤を認め,経腟超音波検査でも多房性の嚢胞で卵巣嚢腫と診断された.入院時CEA:6.0ng/ml,CA19─9:53U/mlと軽度高値,DUPAN─2:25U/ml,Span─1:16.8U/mlは正常範囲内であった.既往歴としては24歳時に左卵巣嚢腫を指摘されたことがある.原発巣検索のため施行された上部・下部消化管内視鏡検査では逆流性食道炎,慢性胃炎,大腸憩室,直腸過形成ポリープを認めたが,悪性病変は認められなかった.さらに原発巣検索目的でFDG PET/CTが施行された.
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