今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 E男性因子に対する治療
【精索静脈瘤根治術】
90.精索静脈瘤の程度と造精障害や精液所見が必ずしも一致しないのはなぜですか.わかりやすく教えてください.
松下 知彦
1
,
岩本 晃明
2
1大船中央病院泌尿器科
2国際医療福祉大学リプロダクションセンター
pp.618-619
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102079
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[1]精索静脈瘤と造精機能障害
精索静脈瘤とは精索内の蔓状静脈叢が怒張,鬱血した状態である.そのため精巣内温度が上昇し,造精機能障害が発生し,精液所見の悪化の原因となるとされている.
その他の原因として腎や副腎よりの静脈血中の代謝物質(カテコールアミン,レニン,コルチゾールなど)の逆流によって内精索静脈中にプロスタグランディンやセロトニンの濃度が上昇し,これらの物質よる障害が起きるとする説,精索静脈内の鬱血のため低酸素状態に陥り造精機能に影響するという説もある1).
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