今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
II 内分泌
【子宮内膜症】40.骨盤内疼痛を訴える子宮内膜症の患者です.
藤原 寛行
1
,
鈴木 光
1
1自治医科大学産科婦人科学教室
pp.477-479
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101473
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1 診療の概説
子宮内膜症は,子宮内膜組織あるいはそれに類似した組織が異所性に発生または生着し,発育する疾患である.月経痛,性交痛,あるいは慢性骨盤痛などの疼痛原因となり,日常生活に多大な影響を与えるものである.個々の患者の多彩な疼痛症状を把握し,適確な治療法を選択することが重要である.しかし,子宮内膜症は腹膜病変,深部病変,卵巣子宮内膜症性嚢胞などさまざまな病態を呈する疾患であるため,治療を画一化することは難しい.
子宮内膜症患者においては月経時の下腹部痛が最も多く認められる症状であるが,月経時以外の下腹部痛〔慢性骨盤痛 : chronic pelvic pain(CPP)〕も約7割の患者で認められる.さらに腰痛,性交痛,排便痛がよくみられ,骨盤内に疼痛原因が存在することがうかがえる.
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