今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
I 周産期
【アレルギー性鼻炎(妊娠中)】11.春になり,アレルギー性鼻炎を訴えている妊婦です.
澤 倫太郎
1
1日本医科大学女性診療科・産科
pp.373-375
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101441
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1 診療の概説
アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis)は鼻粘膜のI型アレルギー疾患で,原則的には発作性反復性のくしゃみ,水性鼻漏(さらさらした水のような鼻水が出ること),鼻閉(鼻づまり)を三主徴とする.I型アレルギー疾患とはIgE抗体によるアレルギー疾患を指し,外因性のアレルゲン(アレルギーの原因物質 : スギ,ブタクサ,室内塵,ダニなど)の存在を前提とする(表1).
アレルギー性鼻炎は好発時期から通年性と季節性に分類される.前者は室内塵(house dust : HD),ダニを抗原とするものが多く,後者の抗原は花粉である.室内塵は雑多なものを含んでおり,そのなかで一番多くみられるアレルゲンはヒョウダニである.陽性アレルゲンには地域差があるので地域特異性の知識が必要である.最近はペット(特にイヌ,ネコなど)やゴキブリのアレルギーもみられる.
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