連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・12
S状結腸癌からの転移性子宮頸癌の1例
桑間 直志
1
,
土谷 美和
1
,
藤間 博幸
1
,
高橋 裕
1
,
前田 宜延
2
,
五日市 美奈
3
1富山赤十字病院産婦人科
2富山赤十字病院病理部
3新潟大学医学部産科婦人科
pp.1007-1010
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100755
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症 例
患 者 : 58歳,女性.閉経50歳.2経妊・2経産,正常分娩2回.
主 訴 : 不正性器出血,骨盤内腫瘤
既往歴 : 2001年1月,S状結腸癌にてS状結腸切除.同12月,肝転移にて肝部分切除.2003年7月,肝転移,左卵巣腫瘍にて肝部分切除,左子宮付属器摘出(左卵巣は単純嚢胞 : 術中所見で子宮は異常なし).
現病歴 : 2004年4月,外科の定期検診で,CT上,骨盤内腫瘤を指摘された.不正性器出血も認めたため当科を受診した.
現 症 : 内診上,子宮頸部は鵞卵大に腫大していた.子宮腟部は,後腟円蓋部から子宮腟部後唇にかけて易出血性の腫瘤を認めた.子宮は可動性不良で,子宮傍組織への浸潤があった.超音波検査上,子宮右側に径5cm大に腫大した腫瘤があり,内部に充実性部分を認めた.子宮頸部細胞診はクラスV,子宮腟部組織診は腺癌であった.また,CEA : 23.6ng/ml, CA125 : 9U/ml, AFP : 4.0ng/ml, CA19─9 : 33.2U/ml, CA72─4 : <2.5U/ml, SCC : 0.8}ng/mlであった.
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