症例検討会 骨・軟部腫瘍18例
症例18—右上腕軟部腫瘍
恒吉 正澄
1,4
,
岩崎 宏
1,4
,
篠原 典夫
2,4
,
香月 一朗
3,4
1九州大学第二病理
2国立福岡中央病院整形外科
3九州大学整形外科
4日本整形外科学会骨・軟部腫瘍研究会
pp.509-512
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908587
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患者:78歳,男.
臨床経過:昭和42年ごろ,右上腕皮下に小豆大の腫瘤に気付いたが,放置していた.昭和47年に腫瘤は急激に大きくなり,昭和48年1月某医で摘出されたが,小さな腫瘤が数珠状に連なつた10×5cmの大きさであつた.昭和49年1月,1回目に再発した6×6cmの腫瘤を九大1外科で摘出し,術後照射を行なつた,昭和50年2月,2回目の再発がみられ(第18-1図),昭和52年2月,3回目の再発腫瘍の摘出を行なつたが翌月再発し,九大整形に入院した.入院時,右上腕の大胸筋付着部近くに弾性硬の境界不明瞭な腫瘤が見られ,血管造影では腫瘤に一致して不規則な血管の増生が見られ,悪性腫瘍と考えられた.摘出腫瘍は6×5×5cmで,粘液腫状と線維性硬の部が混在していた.同年9月,皮膚瘢痕部の4回目の再発腫瘍は線維性硬を呈していた.昭和53年1月,5回目の再発腫瘍が見られた.現在まで遠隔転移は見られない.
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