症例検討会 骨・軟部腫瘍18例
症例17—左大腿中央部腫瘍
伊藤 慈秀
1,4
,
水島 睦枝
1,4
,
西原 幸一
1,4
,
坂手 行義
2,4
,
遠藤 徹
3,4
,
渡辺 俊介
3,4
1川崎医科大学病理
2川崎医科大学整形外科
3渡辺病院
4日本整形外科学会骨・軟部腫瘍研究会
pp.507-509
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908586
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患者:72歳,男,農業.
病歴:昭48・10(68歳)自覚症状のない皮下腫瘤1個が左大腿中央外側部に発生し,昭50・3摘出.腫瘤は長径1.7cm大,長楕円形で硬く,境界鋭利で下部組織との癒着はなかつた.摘出約2年後,同一部位に同様な皮下腫瘤が生じ,徐々に増大したため,昭52・6摘出.再発腫瘤(第1回)は3×2.8×2cm大,結節状で境界はきわめて鋭利,被膜なく,割面は線維充実性で,灰白色を呈し,特異な模様はなかった(第17-1図).第1回再発腫瘤摘出約9ヵ月後,再び同一部位に長径1.5cm大,扁平な長楕円形の第2回再発皮下腫瘤がみられ,一部表層筋膜と連続していた.この第2回再発腫瘤摘出後約3ヵ月目に,再び同一部位に1.5×4cm大,扁平長楕円形で境界不明瞭な第3回再発腫瘤が摘出された.この腫瘤は主に皮下組織内にあつたが,明らかに真皮深層を侵し,数ヵ所で表層筋膜とも連続し,また中心部では出血壊死がみられた.
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