Japanese
English
論述
手関節捻挫および橈骨遠位端骨折後の長母指伸筋腱皮下断裂の検討
Subcutaneous Rupture of the Extensor Pollicis Longus Tendon following Sprained Wrist and Fracture of the Distal Radius
高見 博
1
,
高橋 定雄
1
,
安藤 正
1
,
金 吉男
1
,
中村 正則
1
,
金澤 洋介
1
,
稲波 弘彦
2
Hiroshi Takami
1
1関東労災病院整形外科
2東京大学分院整形外科
1Section of Orthopaedic Surgery, Kanto Rosai Hospital
キーワード:
長母指伸筋腱
,
extensor pollicis longus tendon
,
総指伸筋腱
,
extensor digitorum communis tendon
,
腱皮下断裂
,
subcutaneous tendon rupture
,
Colles骨折
,
Colles' fracture
,
手関節捻挫
,
sprained wrist
Keyword:
長母指伸筋腱
,
extensor pollicis longus tendon
,
総指伸筋腱
,
extensor digitorum communis tendon
,
腱皮下断裂
,
subcutaneous tendon rupture
,
Colles骨折
,
Colles' fracture
,
手関節捻挫
,
sprained wrist
pp.1391-1398
発行日 1989年12月25日
Published Date 1989/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908241
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抄録:橈骨遠位端骨折後に生じる長母指伸筋腱皮下断裂の発生機序に関してはさまざまな意見がある.われわれはいわゆる「手関節捻挫」に続発した長母指伸筋腱皮下断裂4例,総指伸筋腱皮下断裂1例,および橈骨遠位端骨折に続発した長母指伸筋腱皮下断裂7例を経験したので,腱断裂発生機序に関する考察を加えて報告する.長母指伸筋腱皮下断裂は橈骨遠位端骨折以外の外傷にも続発し,その受傷機転に共通するものは手関節過伸展の強制であることから,受傷時に伸筋支帯遠位辺縁によって長母指伸筋腱の橈背側部に圧挫が生じ,その後に腱損傷部は第3 compartment遠位部において摩擦を受けることによって磨耗,変性が進行して遂には腱断裂が生じるものと考えた.橈骨骨折部の不整による腱の磨耗,断裂は頻度としては小さいものと思われる.
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