Japanese
English
臨床経験
Idiopathic chondrolysis of the hipの1例
Idiopathic Chondrolysis of the Hip: A Case Report
伊藤 康夫
1
,
井上 一
1
,
赤沢 啓史
1
,
田辺 剛造
1
Yasuo Itou
1
1岡山大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Okayama University Medical School
キーワード:
idiopathic chondrolysis
,
hip joint
Keyword:
idiopathic chondrolysis
,
hip joint
pp.969-971
発行日 1989年8月25日
Published Date 1989/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908171
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抄録:股関節のchondrolysisは,大腿骨頭辷り症,外傷,リウマチ性疾患の一症状あるいは合併症として知られている.しかし,これらの疾患をともなわないものを1970年にJonesが9例報告して以来,idiopathic chondrolysis of the hip(以下ICHと略す)として約60例の報告がみられる.本邦では,柘植の発表以来我々の症例を入れ10例の報告がある.今回,本疾患と思われる1症例を経験し,4年間経過を観察できたので,鑑別診断を含め検討した.症例は20歳,女性.16歳の時50m走った後に左殿部痛出現.全身状態良好で炎症所見なく,血液生化学検査に異常を認めなかった.軽度の痺痛と可動域制限がありX線にて関節裂隙好きの狭小化を認めた.以後,過度の運動を避け半年毎の外来検診を行って,発症後4年の現在特別な疾患の併発はなく,臨床症状の増悪はみられていない.諸家の報告をふまえ,本症例はICHと診断した.
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