Japanese
English
臨床経験
高齢者大腿骨頸部骨折手術における低比重テトラカイン脊椎麻酔
Hypobaric Tetracaine Spinal Anesthesia in Surgery for Femoral Neck Fracture in the Elderly
山田 邦雄
1
,
太田 邦昭
1
,
脇田 郷
1
Kunio Yamada
1
1国立豊橋病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Toyohashi National Hospital
キーワード:
低比重脊椎麻酔
,
hypobaric spinal anesthesia
,
テトラカイン
,
tetracaine
,
大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture
,
高齢者麻酔
,
geriatric anesthesia
Keyword:
低比重脊椎麻酔
,
hypobaric spinal anesthesia
,
テトラカイン
,
tetracaine
,
大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture
,
高齢者麻酔
,
geriatric anesthesia
pp.1103-1106
発行日 1987年9月25日
Published Date 1987/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907699
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抄録:高齢者の大腿骨頸部骨折手術の麻酔30例に,0.2%低比重テトラカインによる脊椎麻酔を施行し,その有用性を検討した.対象は年齢が64歳から90歳まで平均74.4歳で,さまざまな術前合併症を認めた.テトラカイン溶液の注入量はおおむね8mlで低身長の患者は約7mlに減量した.注入10分後のpin prick法による無痛レベルは最高Th3最低L1で,3分の2の症例がTh10からL1の間であった.創部痛出現時間は平均6時間34分で,術中除痛目的で必要とされた補助麻酔はなかった.注入後30分間に血圧低下のため昇圧剤を使用した症例は9例30%であったが,その他重篤な合併症はなかった.
この麻酔は患側を上にして腰椎穿刺が可能であり,骨折患者にとって苦痛が少なく,最小の体位変換で手術に移ることができる.十分な無痛と筋弛緩が比較的長時間得られ,術中術後の合併症が少なく,高齢者の下肢の手術にも比較的安全に行える麻酔である.
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