Japanese
English
臨床経験
転移性腫瘍を疑わせた胸椎血管腫の1例
A Case Report of Vertebral Hemangioma Suspected of Metastatic Tumor
池田 俊彦
1
,
粟屋 梧老
1
,
鈴木 茂夫
1
,
前川 正毅
2
,
四方 實彦
3
,
三河 義弘
4
Toshihiko Ikeda
1
1小倉記念病院整形外科
2大手前整肢学園整形外科
3京都大学整形外科学教室
4川崎医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kokura Memorial Hospital
キーワード:
原発性脊椎腫瘍
,
primary vertebral tumor
,
海綿状血管腫
,
cavernous hemangioma
,
手術的切除
,
operative resection
Keyword:
原発性脊椎腫瘍
,
primary vertebral tumor
,
海綿状血管腫
,
cavernous hemangioma
,
手術的切除
,
operative resection
pp.935-938
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907464
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抄録:脊椎に発生した血管腫は,典型的にはX線上vertical striationと呼ばれる特徴的な像を呈するが,我々は最近,椎弓根破壊像を認め,転移性骨腫瘍との鑑別を要した胸椎血管腫を経験したので報告する.症例:36歳,女性,主訴:両下肢知覚障害,歩行障害.現病歴:入院4ヵ月前から誘因無く主訴が出現し,徐々に増悪した.単純X線でTh10の右椎弓根像の消失と椎体のcollapseを認めた.脊髄造影ではTh10でのextradural blockを認めた.血管造影では第10肋間動脈胸椎枝末梢の蛇行像,pooling像を認め,血管腫が疑われた.後方より骨生検を行った結果,海綿状血管腫の診断を得た.即ち単純X線像からは判明しなかった脊椎腫瘍像が,血管造影により血管腫を疑わせ,open biopsyにより確診された.そこで前方より進入し,椎体〜右椎弓にかけて切除し,自家腸骨片移植,Zielke deviceによる内固定を行った.出血量は3,140mlであった.術後10ヵ月の現在,良好に経過している.
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