Japanese
English
臨床経験
著明な呼吸性移動を示す馬尾神経鞘腫の1例
A Case Report of the Cauda Equina Neurinoma Showing Respiratory Movement
久保田 研喜
1
,
吉沢 英造
1
,
山田 俊明
1
,
鷲見 信清
1
Kenki Kubota
1
1名古屋保健衛生大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita-Gakuen University, School of Medicine
キーワード:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
移動性
,
mobile
,
馬尾神経
,
cauda equina
,
神経鞘腫
,
neurinoma
Keyword:
脊髄腫瘍
,
spinal cord tumor
,
移動性
,
mobile
,
馬尾神経
,
cauda equina
,
神経鞘腫
,
neurinoma
pp.1055-1058
発行日 1984年9月25日
Published Date 1984/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907044
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脊髄腫瘍は,しばしばその症状発現初期において他疾患特に脊椎変性疾患と誤診され,長期間無用の保存的治療が続けられることがある.特に馬尾神経腫瘍は坐骨神経痛を主訴とすることが多く,下部腰椎変性疾患と間違われやすく,時には術後に両下肢麻痺に発展してはじめて馬尾神経腫瘍の存在に気づく例もみられる.この場合,造影剤を胸椎領域まで上昇させてのmyelography施行が診断確定のための有力な手段となるが,腫瘍が移動性を示す場合には透視下で停止像が読みとりにくく,腫瘍の存在自体の診断が困難なこともありうる.
今回われわれも変形性脊椎症の診断のもとにmyelographyを行い,あぶなく馬尾神経腫瘍を見落すところであった症例を経験したので報告する.
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