Japanese
English
論述
足関節前方引出し徴候と距骨の回旋
Axial Rotation of the Talus in Anterior Drawer Sign
斉田 通則
1
,
佐々木 鉄人
1
,
須々田 幸一
1
,
八木 知徳
1
,
門司 順一
1
,
安田 和則
1
Saita Michinori
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
足関節不安定性
,
ankle instability
,
足関節前方引出し徴候
,
anterior drawer sign
,
距骨回旋
,
talus axial rotation
,
変形性足関節症
,
osteoarthritis of the ankle
,
足関節靱帯損傷
,
ankle ligamentous injury
Keyword:
足関節不安定性
,
ankle instability
,
足関節前方引出し徴候
,
anterior drawer sign
,
距骨回旋
,
talus axial rotation
,
変形性足関節症
,
osteoarthritis of the ankle
,
足関節靱帯損傷
,
ankle ligamentous injury
pp.553-558
発行日 1984年5月25日
Published Date 1984/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906966
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はじめに
足関節外側の靱帯支持組織は,前距腓靱帯と踵腓靱帯が主たるものであるが,しばしばこれらの機能不全状態により足関節不安定性を生ずる.この足関節不安定性の診断には,前方引出しanterior drawer signやTalar Tiltなどの足関節異常可動性をX線学的に証明する方法が,従来より汎用されてきた.一般に,前方引出しは前距腓靱帯の,Talar Tiltは前距腓靱帯と踵腓靱帯の不全状態を反映すると考えられている(図1)2,4,8).
一方,これら前方引出しや,Talar Tiltといった足関節異常可動性に加え,外側靱帯支持組織の機能不全の際に,距骨の回旋もおこっていることが注目されてきた.Rusmussen(1981)は,足関節異常可動性のひとつとしての距骨の内旋運動を,切断下肢を用いた実験で証明し,Anterolateral Rotational Instabilityという概念を報告した12).しかし,前方引出しや,Talar Tiltが,足関節不安定性の診断法として重要視されているのに対し,距骨の内旋運動を臨床的に計測した報告は,渉猟しえた限りない.著者らは,足関節外側靱帯支持組織の不全状態でみられる距骨の内旋を,X線学的に計測する方法を考案し,前方引出しとの関係について検討したので報告する.
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