Japanese
English
境界領域
実験骨髄炎とプロスタグランディン
Prostaglandins in Experimental Osteomyelitis
日下部 明
1
,
S. Dekel
1
,
M. J. O. Francis
2
Akira KUSAKABE
1
1東北大学医学部整形外科学教室
2Oxford大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
experimental osteomyelitis
,
histological findings
,
Prostaglandins
,
bone resorption
,
sodium salicylate
Keyword:
experimental osteomyelitis
,
histological findings
,
Prostaglandins
,
bone resorption
,
sodium salicylate
pp.875-883
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906809
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はじめに
1930年,ヒト精液中に子宮を収縮させる物質の存在することが発見され,はじめこの物質は前立腺で作られると考えられたため,プロスタグランディン(Prostaglandin)と名付けられたが,その後,精のう腺で作られることがわかってからもそのままの呼び名が使われてきた.このプロスタグランディン(PG)は生体の中のいろいろな組織内で必要なときに即座に極く微量作られ,その付近で働いた後,その近くで破壊されるか,また血流に入った場合,肺を通過する際に肺の中の酵素によって,ほぼ完全に破壊されてしまうという特性をもっているため,"局所ホルモン"と呼ばれて特に注目されている物質である10).PGは一種の生理活性物質で,非常にわずかの量(10-7〜10-10M)で多様な効果を生体に及ぼすことが知られている6,14).最近では,PGは炎症の重要なchemical mediatorの一つとして知られ23),また骨吸収作用も明らかとなり6,14).整形外科領域でも興味を持たれはじめている21).
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